放課後の帰り道だった。
あなたは、いつも少し前を歩く。
話しかけようとしたけど、
言葉がうまく出てこなかった。
「今日、寒いね」って言ったら、
「ほんとだね」って笑ってくれた。
それだけで胸がいっぱいで、
それ以上は、何も言えなかった。
少しでも長く一緒にいたくて、
信号が変わるのを願った。
好きって言えたらよかったのに、
黙ったまま、時だけが過ぎた。
あなたは、きっと覚えてない。
でも、私は忘れられない。
あの日、隣にいたあなたを、
誰よりも大切に思ってたの。
そんな気持ちを抱えたまま、
今も、あの道を歩いてしまうの。
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